AWSを使ってWebサイト構築 方法&メリット・デメリットを解説

2022.10.27(木)

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AWSを使ってWebサイト構築 方法&メリット・デメリットを解説

AWSといえば国内のみならず世界的にも有名なクラウドサービスです。 そのためAWSを活用して、Webサイトの構築を検討している企業も多いでしょう。

しかし、AWSといったクラウドサービスを使ってWebサイトを公開した経験がない場合には、疑問や不安に感じるポイントも多いことでしょう。
「そもそもクラウドサービスとはどのような仕組みなのか」という疑問が生まれることも少なくないため、AWSでWebサイトを構築する際には、AWSの仕組みから理解を深めておくことが成功のポイントです。

今回は、AWSの概要と、AWSでWebサイトを構築するときのメリットとデメリットを解説していきます。

そもそもAWSとは?

クラウドサービスについてなじみがない人にとっては、AWSのサービス形態や内容が分かりにくいと感じる人も多いでしょう。
まずは、AWSとは何なのかについて分かりやすく整理します。

AWS(Amazon Web Services)は、通販サイトとして知られるAmazonが提供するクラウドサービスの総称です。

クラウドサービスとは、インターネットなどを通じて、サーバーやネットワークなどのITインフラ、ソフトウェアといったコンピュータ資源をサービスとして提供する形態のことです。
AWSではさまざまなサービスが利用できるようになっており、それらはすべてクラウド上で提供されるため気軽に利用できます。

また、AWSは、クラウドサービスにおいて世界的に非常に高いシェアを誇ることでも有名です。
2021年に調査会社のCanalysが発表した、グローバルにおけるクラウドの主要ベンダーシェアの調査結果によれば、AWSを含めた各ベンダーのシェアは以下のようになっています。

AWSは圧倒的に高いシェアを誇り、世界各国で支持されていることが分かります。
AWSは信頼性も高く、クラウドで多くの業務を進めるのであれば、利用する価値が高いサービスといえるでしょう。

AWSは多機能であることでも知られており、AWSを活用することで、さまざまなことがクラウド上で行えます。
システムなどのクラウドシフトを検討している企業にとっても、AWSの利用は前向きに考えたいところです。

 

AWSを使ってWebサイトを構築するメリット

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続いて、AWSを活用してWebサイトを構築することで得られるメリットについて見ていきましょう。
現在AWSには、Webサイト制作をスムーズに行えるサービスが数多くあり、主には以下のメリットがあります。

  • 低コスト
  • 利用開始までが早い
  • 開発も運用もスムーズ
  • 災害対策も万全

では、それぞれにおける重要なポイントをチェックしていきましょう。

 

低コスト

AWSでのWebサイト構築は、低コストで始めることが可能です。
多くのクラウドサービスが無料で始められるのと同じくAWSはイニシャルコストがかからないのが大きなメリットです。
そのため、Webサイトの公開に必要なサーバーなどの環境をすぐに準備でき、気軽に始めやすいのがポイントです。

さらに、AWSは利用した分のみの従量課金制を取り入れており、必要以上に多くの費用がかかることもありません。
イニシャルコスト、ランニングコストともにコストパフォーマンスに優れているのがAWSクラウドの大きなメリットです。

 

利用開始までが早い

AWSは利用開始までが非常に早いです。
AWSはクラウドサービスであるため、基本的にパソコンなどのデバイスとインターネット環境さえあれば、簡単に利用を開始することができます。

Webサイト構築の際にも、必要なアプリケーションをAWSですぐに展開できるため、利用開始までに手間や時間がかかることはありません。

 

開発も運用もスムーズ

WSは開発や運用のためのツールが充実しているので、Webサイト構築の際にもその利便性の高さを実感できます。

Webサイトやサービスで提供するアプリケーションを開発する際には、主要なプログラミング言語に対応したSDK(=ソフトウェア開発キット)を活用することで効率的にプログラミングを進めることができます。
また、マーケティングやメディア配信などのソリューションが必要な場合にも、AWSであれば簡単に連携を行うことが可能です。

さらに、安定的な運用のために必須となる監視、ログ収集、セキュリティ、自動化といったツールも充実しているので、業務の効率化にも貢献します。

 

災害対策も万全

AWSはBCP対策の意味でも大きなメリットがあります。

BCP(Business Continuity Planning)とは事業継続計画のことを指し、具体的には、災害発生時にも業務への支障・被害を最小限に抑えて、サービス停止などの事態を招かないための対策・計画を意味します。

日本は世界的に見ても地震や台風、大雨などの災害が頻発する災害大国として知られるため、各企業においてBCP対策は常に意識すべきポイントといえます。そのためBCP対策の一環として、クラウドサービスの利便性は各方面において注目されています。
クラウドサービスを利用することで、データやシステム、ハードウエアを自社で運用しないため、万が一被災してもデータが守られる可能性が高いからです。
そのような理由から、AWSをはじめとするクラウドサービスを、実際にBCP対策として積極的に活用する企業は増えてきています。
AWSで保管しているデータは常にバックアップが取られていることも押さえておきたいポイントです。
バックアップ機能に優れているAWSなら、万が一AWSのサーバー拠点が被災したとしても、そう簡単にはデータ消失などの事態に陥らないようになっています。

これらの点から、AWSでWebサイトを構築しておけば、災害の影響を受けてもWebサイトのデータが失われてしまうリスクは低く、結果的に自社サービスの提供や情報発信の停止を防ぐことができます。

 

デメリット・注意点

コストパフォーマンスが良く、手軽に始められ、運用もしやすく、災害などの万が一の場合に備えられるなど、AWSでWebサイトを構築することには多くのメリットがあります。

しかしAWSを活用する際には、以下のような点には注意が必要です。

  • 費用が分かりにくい
  • 機能が豊富すぎて使いこなせない

それぞれ見ていきましょう。

 

費用が分かりにくい

費用についてはメリットでも触れましたが、AWSは従量課金制で使った分だけ費用がかかる仕組みになっています。
使った分だけの必要最低限の費用になるといえば、確かにメリットといえるでしょう。

一方で料金が利用状況により変動し、毎月把握しづらいという点にもつながってくるため、場合によってはデメリットに感じられることもあるかもしれません。

また、AWSはドル換算で利用料が決まり、クレジット決済が基本のため、正確な費用は支払ってから分かるという事態になりがちです。
このような利用料の変動、ドル換算・クレジット払いという請求書を介さない支払い方法などは気になる企業も多いと思いますが、全国各地にあるAWS認定のパートナー企業が、請求代行やAWS利用料の定額プランなどを提供しています。

費用の分かりにくさや支払い方法が気になる場合は、AWSパートナー企業に相談してみましょう。

 

機能が豊富すぎて使いこなせない

AWSでは数多くのクラウドサービスを活用でき、Webサイト構築の際にも活かせるサービスは多くあります。
それらの機能についての理解が追い付いていないと、結果として使いこなせないことも少なくありません。
AWSの機能について知識が浅いと、そもそも何を使えば良いのか、どのサービスと連携すれば良いのかなど、はじめのうちは理解するまで時間がかかることが予想されます。

機能面の理解や組み合わせ、活用方法に不安がある場合も、AWSパートナー企業に依頼すれば、スムーズにWebサイトの公開ができます。
納得できるWebサイトを、手間なく安心して構築するためにも、不安があればAWSパートナー企業に依頼するのがおすすめです。

 

Webサイトの構築におすすめのAWSサービス

Webサイトの構築には、主に以下のようなAWSサービスの活用がおすすめです。
おすすめのサービスを簡単な特徴とともにピックアップしていきます。

これらはAWSを代表するメインのサービスでもあります。
では、それぞれの特徴や機能について詳細を見ていきましょう。

Amazon S3

Amazon S3(以下、S3)は、AWSを代表する有名なサービスの一つです。
データの保存を行う場所として活用でき、いわゆるクラウドストレージ機能を有したサービスです。
類似するものとしては、Dropbox、Google Drive、OneDriveなどをイメージすると分かりやすいでしょう。
なかでも特に魅力的なのは、容量に制限が設けられていないという点です。

また、データ消失などのリスクがないように対策が徹底されており、耐久性の高いストレージサービスとしてフル活用できます。
静的コンテンツはS3を通じて配信することも可能なので、シンプルなWebサイトであればS3にデータを保管することでホスティングし、公開することもできます。

 

Amazon EC2

Amazon EC2(以下、EC2)もAWSにおける代表的なサービスの一つです。
仮想サーバーの作成や利用ができるサービスのため、Webサイト構築には欠かせないサービスといえるでしょう。

AWSでWebサイトを作る際には、原則としてまずEC2でサーバーを作成する必要があります。
作り方は簡単で、AWSアカウントを開設し、設定画面で必要な項目を選ぶだけで数分程度で手軽にサーバーを作れるのがポイントです。
また、サーバーの構成・スペックなどを変更したいときも、必要に応じて簡単に変更することができます。

 

Amazon RDS

Amazon RDS(以下、RDS)はAWSのデータベースサービスです。
Webサイト構築にはこのようなデータベースの存在も欠かせません。

作成できるデータベースはMySQL、PostgreSQL、Oracleなど主要なものばかりで、しかも誰でも簡単にデータベースを作ることが可能です。

セキュリティパッチの適用などは常にAmazon側が行ってくれるため、管理の手間も最小限に抑えられます。
オートメーションでバックアップを行ってくれる機能や冗長性につながる機能も便利です。

 

自社に合ったAWSサービスの見つけ方

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ここまでAWSの代表的なサービスを紹介してきましたが、Webサイト作成やWebサービス開発、その他さまざまな業務を行う際に活用できる便利なサービスはこのほかにも数多くあります。

AWSのサービスはすべてを合わせると200以上にもなるため、実際に利用する際には、どのサービスが自社に適しているのか分からなくなることが多いものです。

AWSを活用して業務効率化やコスト削減を目指すなら、自社に合ったAWSサービスを見つけることが重要です。
自社に合ったAWSサービスを見つける際には、主に以下の3点を確認しましょう。


  • 無料利用枠を活用する
  • ウェビナーに参加する
  • 資料のダウンロード

それぞれ、解説していきます。

 

無料利用枠を活用する

まずは、AWSを積極的に使って慣れていくことが重要です。
AWSの利用を始める場合はまずアカウントを作成しますが、その際に選んだプランによって、12カ月、または、無期限の無料利用枠を利用できます。

この利用枠を活用すれば、費用をかけずに使用感を試すことができるので、積極的に活用してみることをおすすめします。
ただし、無料利用枠の制限を超えた分は従量で費用が発生しますので注意しましょう。

 

ウェビナーに参加する

AWSのウェビナー(オンラインで実施されるセミナー)に参加することで、活用方法のヒントを得られます。
まだAWSに慣れていないうちは、特に「初心者向け」となっているものがおすすめです。

ウェビナーの他にも、AWSでは利用者支援の一環として、さまざまな種類のイベントを定期的に開催しています。
AWSが提供する最新のサービス内容や、最近トレンドとなっているIoT・機械学習などの情報を知ることができるので、興味のあるものに参加してみましょう。

 

資料のダウンロード

資料をダウンロードして、自社に合ったAWSサービスを見つけるのもおすすめです。
AWSの公式サイトでは、それぞれのサービスの主にテクニカル関係の資料を見ることができます。

資料内には機能の特徴や使い方のポイント、具体的な利用例などがまとめられています。
気になったサービスの活用方法は、ぜひ一度資料をダウンロードしてチェックしてみましょう。

 

Webサイト構築の手順

ここではAWSを活用したWebサイト構築の手順を紹介します。
Webサイト制作には多くの場合CMSの一つであるWordPressが利用されますが、AWSサービスを活用することでWordPressサイトも簡単な手順で構築することが可能です。

まず、サイト構築にはWebサーバーとデータベースが最低限必要になります。
そのためまず活用するのは、以下2種類のサービスです。


  • EC2(サーバー)
  • RDS(データベース)

まずEC2でWebサーバーを構築し、続いてRDSでMySQLデータベースを作成します。
その後はWordPressやPHPなど利用するシステムをインストールすれば、AWSでWordPressサイトを簡単に構築することが可能です。

また、このほかにS3(ストレージ)を活用すれば、Webサイトのバックアップを保管しておくこともできます。
比較的シンプルなWebサイトであれば、S3にデータを入れてWebサイトを構築することも可能です。
ほかにはドメインネームシステム(DNS)サービスであるRoute 53を利用すれば、独自ドメインの設定を行うことも可能です。

このように連携できる便利な関連サービスが多くあるので、さまざまなサービスと連携してWebサイト構築をスムーズに行っていきましょう。

 

まとめ~AWSを積極的に活用して、Webサイトを作ってみよう~

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AWSはWebサイト構築やソフトウエア開発など多くのことを実現できるクラウドサービスの総合プラットフォームです。
利用できるサービスは豊富にあるため、まずは何を活用すればWebサイトの構築ができるのか理解を深めておくことが重要です。

クラウドサービスとして最も高いシェアを誇るからこそ、AWSは世界的にも信頼できるサービスとして知られています。
Webサイト構築以外のシーンでも、クラウド移行を検討するなら積極的にAWSの利用を考えてみましょう。


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