【AWS認定資格】レベル別・おすすめの認定資格と合格体験談
2022.05.26(木)
- ITインフラ
- Webシステム
- クラウド
クラウドシフトがどんどん進む昨今。クラウド活用をおすすめされる機会も増えているのではないでしょうか?
総務省の調査では、約67%の企業が全社もしくは一部でクラウドサービスを導入しており、その効果を実感している企業の割合はなんと85.5%と、高い評価が出ています。
クラウドサービスのなかでもおすすめなのが、世界最大のシェアを持つといわれているAWS(Amazon Web Services)です。AWSにはAWS自体が主催している認定資格があり、最近のクラウドシフトを受け、AWS認定資格の取得を目指す方が増えています。
基礎的な内容から実際の開発にも役立つAWS認定資格のうち、どんな資格を取得するのがおすすめなのでしょうか?
今回は、多彩なAWS認定資格の中で、レベル別でおすすめしたいAWS認定資格をご紹介します。
初級レベル:おすすめのAWS認定資格
たくさんの種類があるAWS認定資格のうち、初級レベルの方におすすめなのが以下の資格です。
- AWS認定Cloud Practitioner(クラウドプラクティショナー/CLF-C01)
AWS認定資格としては基礎レベルと位置付けられており、AWSサービスの全体的な知識を求められているため、まずは取得しておきたい資格です。
クラウドプラクティショナー認定試験の内容
- 対象:AWSクラウドの基礎的な知識を有し、適切に説明ができる
- AWS経験値:6カ月程度のAWS実務経験を有する個人
- 難易度:一番低い
- 試験時間:90分
- 受験料:100ドル(約12,000円)
- 出題形式:65問/択一選択問題または複数選択問題
クラウドプラクティショナー認定試験のおすすめ学習法
AWSクラウドに関する総合的な知識を問われます。技術的な詳細よりも、AWSのコンセプトや中核となるサービスの位置付けに関する理解を深めておく必要があるとされています。
当社合格者は、以下のようなものを活用して、繰り返し学習をしたそうです。
- AWSが無料で提供している各種デジタルトレーニング
- AWSが無料で提供している問題集
- AWSサービスをまとめた本
- クラウドプラクティショナー認定試験の問題集
中級レベル:おすすめのAWS認定資格
AWS認定資格のうち、中級レベルの方におすすめの資格はアソシエイトと呼ばれ、以下の3種類があります。
- AWS認定Solutions Architect(ソリューションアーキテクト)アソシエイト(SAA-C02)
- AWS認定Developer(デベロッパー)アソシエイト(DVA-C01)
- AWS認定SysOps Administrator(シスオプス アドミニストレーター)アソシエイト(SOA‐C02)
それぞれ詳しく見ていきましょう。
ソリューションアーキテクトアソシエイト認定試験の内容
- 対象:AWSクラウドで適切なシステム設計を行うことができる
- AWS経験値:1年以上のAWS実務経験を有する個人
- 難易度:中等度
- 試験時間:130分
- 受験料:150ドル(約19,000円)、模擬試験:20ドル(約2,000円)
- 出題形式:65問/択一選択問題または複数選択問題
ソリューションアーキテクトアソシエイト認定試験のおすすめ勉強法
AWSのアーキテクチャ原則に基づいた、安全で堅牢なシステムを設計する能力が問われます。クラウドプラクティショナーと比べるとより技術的で、実際に現場で活用されるソリューションに近い内容が出題される傾向があります。
AWS公式サイトには、試験ガイドやサンプル問題、公式練習問題集のほか、デジタルトレーニングや試験対策ウェビナーが公開されていますので、市販のテキストや問題集などと併せて活用しましょう。模擬試験(有料)も用意されています。
デベロッパーアソシエイト認定試験の内容
- 対象:AWSでのアプリケーション開発・デプロイ・デバッグを行うことができる
- AWS経験値:AWSベースのアプリケーション開発について1年以上の実務経験を有する個人
- 難易度:中等度
- 試験時間:130分
- 受験料:150ドル(約19,000円)、模擬試験:20ドル(約2,000円)
- 出題形式:65問/択一選択問題または複数選択問題
デベロッパーアソシエイト認定試験のおすすめ勉強法
AWS を使用したクラウドベースのアプリケーションの開発、デプロイ、デバッグ、およびサーバーレスアプリケーションのコードの記述についての知識などが必要です。ソリューションアーキテクトアソシエイト同様、試験ガイドやサンプル問題が公開されているほか、有料で模擬試験の受験も可能です。有償・無償などさまざまな形でAWSより提供される各種トレーニングも活用しましょう。
SysOpsアドミニストレーターアソシエイト認定試験の内容
- 対象:AWSでのワークロード管理・運用・保守を行うことができる
- AWS経験値:AWSでのシステム運用について1年以上の実務経験を有する個人
- 難易度:中等度
- 試験時間:180分
- 受験料:150ドル(約19,000円)、模擬試験:20ドル(約2,000円)
- 出題形式:65問/択一選択問題または複数選択問題、試験ラボ(実技試験)
SysOpsアドミニストレーターアソシエイト認定試験のおすすめ勉強法
AWS上でのワークロードのデプロイ、管理、そしてオペレーション、およびセキュリティコントロールとコンプライアンス要件の実装の経験や知識などが求められます。
また、従来の選択式問題だけでなく、試験ラボと呼ばれる実技試験があります。内容は、表示されたシナリオ通りにマネジメントコンソールからAWSの設定を行っていく試験で、AWSの操作経験を積む必要がありそうです。AWSの操作経験は、AWSが提供しているAWS hands-on for Beginnersなどでも積むことができますので、実業務ではなじみがないサービスの操作を習得することも可能です。
上級レベル:おすすめのAWS認定資格
AWS認定資格のうち、上級レベルの方におすすめの資格はプロフェッショナルと呼ばれ、以下の2種類があります。
- AWS認定Solutions Architect(ソリューションアーキテクト)プロフェッショナル(SAP-C01)
- AWS認定DevOps Engineer(デブオプス エンジニア)プロフェッショナル(DOP-C01)
それぞれ詳しく見ていきましょう。
ソリューションアーキテクトプロフェッショナル認定試験の内容
- 対象:AWSクラウドで複雑なシステム設計を行う高度な技術と経験を有している
- AWS経験値:2年以上の実践的なAWS実務経験を有する個人
- 難易度:最上級
- 試験時間:180分
- 受験料:300ドル(約38,000円)、模擬試験:40ドル(約5,000円)
- 出題形式:75問/択一選択問題または複数選択問題
ソリューションアーキテクトプロフェッショナル認定試験のおすすめ勉強法
複雑な要件に適切に対応し、動的でスケーラブルなアプリケーションやシステムをAWSで設計・デプロイするための知識のほか、マイグレーション、コスト管理、継続的な改善など、幅広く高度な知識が求められます。
AWS公式の試験ガイドの理解、問題集、デジタルトレーニングを行い、AWSサービス単体の理解を深めるのはもちろん、複数のサービスを組み合わせた出題にも備える必要があります。模擬試験(有料)も活用し、出題の内容、傾向に慣れておくとよいでしょう。
DevOpsエンジニアプロフェッショナル認定試験の内容
- 対象:AWSでのアプリケーションのデプロイと運用プロセスを自動化することができる
- AWS経験値:AWSでのシステム開発・管理・運用について2年以上の実務経験を有する個人
- 難易度:最上級
- 試験時間:180分
- 受験料:300ドル(約38,000円)、模擬試験:40ドル(約5,000円)
- 出題形式:75問/択一選択問題または複数選択問題
DevOpsエンジニアプロフェッショナル認定試験のおすすめ勉強法
高度に自動化されたインフラストラクチャの構築、オペレーティングシステムの管理、最新の開発プロセス、運用プロセス、開発手法、および運用手法などの幅広い経験と理解を求められます。
AWSの試験ガイドを読み込み、公式問題集や模擬試験(有料)を活用し出題傾向を把握しておきましょう。デジタルトレーニングや市販の問題集も正答率を上げるのに役立つでしょう。
上級レベル・専門分野:おすすめのAWS認定資格
AWS認定試験には、以下のように特定のジャンルに特化した専門知識に対する認定資格もあります。
- AWS認定Advanced Networking(アドバンスドネットワーキング)スペシャリティ (ANS-C00)
- AWS認定Data Analytics(データアナリティクス)スペシャリティ (DAS-C01)
- AWS認定Database(データベース)スペシャリティ(DBS-C01)
- AWS認定Machine Learning(マシンラーニング)スペシャリティ(MLS-C01)
- AWS認定Security(セキュリティ)スペシャリティ (SCS-C01)
- AWS認定SAP(サップ) on AWSスペシャリティ(PAS-C01)
難易度はプロフェッショナルレベルとされ、AWSの実務経験は2年以上、各分野での実務経験は5年以上あることが望ましいとされています。
AWSの知識に加え、特定の分野での経験も積んでいる方は、チャレンジしてみてはいかがでしょうか?
AWS認定資格試験の合格体験記
これまではAWS認定試験とおすすめ勉強法を紹介してきました。ここからは、当社所属のエンジニアが実際に経験した、AWS認定資格試験の合格体験記をチェックしましょう。
AWS認定ソリューションアーキテクトアソシエイト合格:Mさん、Aさん
AWS認定資格に向けて、参考書を中心に勉強をしました。普段の業務に関係ない分野も試験範囲に含まれていたので、分からないサービスについてはAWS Black Beltを見たり、関連サービスとともに図にまとめながら覚えました。
→AWS Black Beltとは、AWS公式のオンラインセミナーのこと。多彩なカテゴリ別にさまざまなコンテンツが提供されているそうです。
AWS認定デベロッパーアソシエイト合格:Mさん
まずは、AWSが提供する問題集やデジタルトレーニングなどを活用するのがおすすめ。たくさんの問題を解いてAWS認定資格の出題範囲の内容について理解を深めました。通常業務で触れられない内容を学ぶいい機会になりました。
→資格の取得となると、実業務で対応しないジャンルも出題される可能性がありますが、前向きにトライですね。
AWS認定SysOpsアドミニストレーターアソシエイト合格:Aさん
AWS認定資格の合格のために、通常の出題内容に対する備えのほか、新たに導入された実技試験に向けた準備をしました。「普段から実務でAWSを操作していないと合格は難しいな」と感じました。実技試験は出題範囲のサービスに少しでも実際に触れることが必須ですね。
→実際のAWS操作を求められる実技試験への対策は、そのまま実業務にも生かせそうですね。
AWS認定クラウドプラクティショナー合格:Kさん、Iさん、Aさん、Tさん、Sさん
AWSの概要についての動画を視聴して理解を深めるほか、AWSの用語をしっかり覚えることをおすすめします。AWS公式問題集や市販の問題集をしっかりやりこんだり、回答の解説も読み込んだりと「AWSの理解を深める」ことで正答率を上げられると思います。
→AWS認定資格試験としては初級編にあたるクラウドプラクティショナー。さまざまな学習法で問題集の正答率を上げれば合格できる試験、との感想が多かった印象です。
このほかにも、合格者からは、AWS独特の表現として「英語を直訳したような日本語で問題集が作られているので、そういった出題を理解することに慣れる必要がある」といった声や「市販の問題集を自費で購入したことで、『合格しなきゃ』という気合いが入った」などというリアルな声も聞かれました。
▲AWS認定資格の全体像。ここまでに掲載の認証バッジはAWS公式サイトより引用しました
AWS認定資格試験に合格するための計画を立てよう~まとめ~
AWS認定資格は、AWSが主催している認定資格だけに、AWSの公式サイトに求められる知識や出題内容が詳しく解説された試験ガイドのほか、AWS資格試験合格のためのさまざまなプラクティスやトレーニング、動画コンテンツが用意されています。まずは、そちらをしっかり活用するのがよさそうです。
AWS認定資格の出題内容や形式なども適宜改修されているようなので、最新情報をチェックする意味でもAWS公式サイトはこまめにチェックしましょう。
AWS認定資格試験は、すべてオンラインで受けられ、好きな日時を選んで受験することが可能なので、試験を受けたい日から逆算して、しっかり計画を。試験日が決まったら、当社社員の合格体験記なども参考に、学習を進める順番を検討してみましょう。
今回はAWS認定資格試験について、種類や試験概要、合格体験記を含むおすすめの学習法を紹介してきました。ぜひ、参考にして、みなさまの資格取得やクラウド活用にお役立てください。
クラウド活用・AWS活用をご検討中の方へ
「クラウドを使ってみたいけどよく分からない」「AWSって何ができるの?」...そんな疑問をお持ちの方は、ぜひ一度、AWSセレクトティアサービスパートナであるグローバルネットコアまでお気軽にご相談ください!
今回ご紹介した合格者のほかにも、AWS認定資格の有資格者が多数おり、難易度の高いプロフェッショナル認定資格を持つ技術者も在籍。クラウド活用・AWS活用の専門技術者が、どんな内容にも親切丁寧に対応いたします!