【法人向け】 ルーター・ファイアウォール・UTMの違いって?選定ポイントなど詳しく解説

2024.11.28(木)

  • 運用・セキュリティ
【法人向け】 ルーター・ファイアウォール・UTMの違いって?選定ポイントなど詳しく解説

企業のネットワークセキュリティを守るために、ルーター、ファイアウォール、UTMといった機器は不可欠です。特に中小企業では、限られたリソースで最大限のセキュリティ対策を講じる必要があります。しかし、どの機器を選び、どのように導入するべきか迷うことも多いでしょう。

本記事では、各ネットワーク機器の基本的な役割や機能を比較し、自社に合った機器選定のポイントを明確にしていきます。また、導入・運用における注意点や、専門業者に依頼するメリットについても取り上げます。

ルーター、ファイアウォール、UTMの違い

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ネットワーク機器を選定する際は、それぞれの機器がどの場面でどのような役割を果たすかを理解することが重要です。以下の表に、ルーター、ファイアウォール、UTMの違いをまとめました。

役割

セキュリティ機能

主な利用シーン

ルーター

ネットワーク間でのデータ転送や、最適な経路選択を行う

アクセスコントロールリストなど簡易なファイアウォール機能が付属する

複数の異なるネットワークの中継、インターネット接続のゲートウェイ

ファイアウォール

外部からの攻撃的通信や不正アクセスを遮断する

通信のデータや状態を監視し、許可された通信や正常な通信のみを通過させる

内部ネットワークや各種サーバーとインターネットの境界保護

UTM

複数のセキュリティ機能を統合し、総合的な保護を提供する

ファイアウォール機能に加え、ウイルス対策や侵入検知・防止機能を統合

内部ネットワークや各種サーバーとインターネットの境界保護

ルーターは、データの転送や経路選択に特化しており、セキュリティ機能は限定的です。

一方でファイアウォールは、企業ネットワーク内の機密情報や重要システムへの不正アクセスを防ぐ役割を持ちます。ネットワークの境界防御を強化するためには有効ですが、最新の脅威や内部攻撃には対応できないことがあります。

UTMは複数のセキュリティ機能を統合し、企業全体のネットワーク保護を提供するオールインワン型のソリューションです。複雑なセキュリティ対策を、単一の機器で簡便に管理できます。 次の章では各ネットワーク機器の詳細について解説します。

ルーターとは?

ルーターはネットワークを構成するうえでの基盤的役割を果たし、異なるネットワーク間でデータを転送するためのゲートウェイとして機能します。

主な機能

  • IPアドレスに基づくパケット転送
  • NAT(ネットワークアドレス変換)機能
  • サブネット分割
  • ネットワークに接続されたデバイスに自動的にIPアドレスを割り当てる
  • 特定のトラフィックやアプリケーション(VoIP、ビデオ会議など)に優先順位を設定し、ネットワークのパフォーマンスを最適化するQoS(サービス品質)

役割

社内ネットワークやインターネットに接続するための道案内役であり、データの正確な経路選択を行います。ルーターがなければ、社内ネットワークはインターネットに接続できません。

また、複数のデバイスやネットワークセグメントを容易に接続する役割も果たします。オフィス内の各デバイス(PC、プリンタ、サーバーなど)や、部署ごとに分かれたネットワークセグメントを相互に接続することで、情報共有や業務の円滑な連携が可能になります。

さらに、NATやDHCP機能によるIPアドレスの自動管理により、ネットワーク管理者の負担を軽減します。

ユースケース

インターネットを利用する上で必須の機器であり、一般家庭から中小企業、大規模な組織まで、幅広く利用されています。 シンプルなネットワークを構成する場合に適しており、インターネットアクセスが主な目的であればルーターのみで十分です。

ルーターを使う上でのリスクと対策

まず重要な点として、ルーター単体ではセキュリティ機能が限定的であることが挙げられます。そのため、効果的な対策としてファイアウォールを追加で導入し、ネットワークの境界を適切に保護することが推奨されます。

また、深刻な脅威となりうるDDoS攻撃に対しては、ルーター単体では十分に防ぎきれないことが多いため、インターネットサービスプロバイダー(ISP)と連携してネットワークトラフィックの監視やフィルタリングを行うことが有効です。

使用する製品によっては、付帯するセキュリティ機能に違いがあるため、導入前には十分な調査を行うことが重要です。特に一定規模以上の企業では、ルーターの基本機能だけではなく、ファイアウォールやUTMの導入を検討し、包括的なセキュリティ対策を整えることが求められます。

ファイアウォールとは?

ファイアウォールは、ネットワークとインターネットの境界で動作し、外部からの不正アクセスやサイバー攻撃からネットワークを守る防御壁として機能します。

主な機能

  • データの小さな単位である「パケット」を分析し、許可されたトラフィックのみを通過させるパケットフィルタリング
  • 通信のセッション全体を監視する状態検査(ステートフルインスペクション)
  • 特定のアプリケーションやプロトコルに基づいたフィルタリングを行う、アプリケーションレイヤーゲートウェイ(ALG)

役割

企業の社内ネットワークを外部の脅威から保護する役割を果たし、信頼できる通信のみを許可することで、ネットワーク全体のセキュリティを強化します。

メリット

外部からの攻撃を遮断し、企業の重要なデータを保護します。
企業のニーズやポリシーに応じて、きめ細かいアクセス制御が可能です。

デメリット

高度なセキュリティ設定を行う必要があり、誤った設定によってセキュリティリスクが高まります。
定期的な設定確認やメンテナンスに、多くの時間とコストがかかります。

ユースケース

社内ネットワークやデータセンターなど、セキュリティを重視する環境での利用が多いです。また、セキュリティが重要なホームネットワークでも使用されます。

ファイアウォールを使う上でのリスクと対策

ファイアウォールは誤設定によってセキュリティホールが生じやすいため、定期的な監視と設定の確認が必要です。
ファイアウォールの設定ミスがあると、意図しない通信が許可され、企業のネットワーク全体が脅威にさらされる原因ともなるため、管理者は細心の注意を払う必要があります。

また、攻撃者はファイアウォールの防御を回避しようと、さまざまな手段を試みるため、ファイアウォール単体での防御には限界があります。そのため、IDS/IPS(侵入検知/防御システム)やUTM、アンチウイルスソフトウェアなど、他のセキュリティ機器と組み合わせた多層防御を実現することが重要となります。

UTMとは?

UTM(Unified Threat Management)は、ファイアウォールの機能に加えて、ウイルス対策や侵入検知・防止(IDS/IPS)、Webフィルタリングなど複数のセキュリティ機能を一つのデバイスに統合したセキュリティソリューションです。

主な機能

  • ファイアウォール機能
  • ウイルス対策
  • 侵入検知・防止(IDS/IPS)
  • VPN(仮想プライベートネットワーク)機能

役割

企業内外のネットワーク全体を包括的に保護し、複数のセキュリティ層を統合して管理を効率化します。

メリット

個別のセキュリティ機器を導入するよりも管理が容易で、運用コストを削減できます。
複数のセキュリティ機能が統合されていることで、一元管理が可能となり、セキュリティ対策の効率が向上します。

デメリット

多機能であるため、すべての機能を適切に設定するには専門的な知識が必要です。設定ミスにより、十分なセキュリティ対策を取れない場合もあります。
複数のセキュリティ機能を同時に稼働させるため、ネットワークのパフォーマンスが低下するおそれがあります。

ユースケース

中小企業、支社、リモートアクセス環境など、複数のセキュリティ要件を満たす必要がある環境で広く利用されます。
特に、複数拠点やリモートワーク環境を持ち、統一的なセキュリティポリシーの適用と効率的な運用管理が必要な企業に最適です。

UTMを使う上でのリスクと対策

UTMを効果的に運用するためには、適切なハードウェアスペックの選定と継続的な負荷モニタリングが不可欠です。ネットワークの規模、利用頻度、通信量を事前に見積もり、それに見合った処理能力を持つCPU、メモリ、およびネットワークデバイスを選定する必要があります。
具体的には、中小規模のオフィス環境では1Gbps程度のスループットで十分ですが、大規模なネットワークでは10Gbps以上のスループットの確保が推奨されます。

また、大量のトラフィックが予想される中規模以上の環境においては、単一のUTM機器に依存するのではなく、負荷分散(ロードバランシング)やクラスタリング技術を積極的に導入することが重要です。
これにより、システムの可用性と処理能力をスケーラブルに設計し、将来的なトラフィック増加にも柔軟に対応できる堅牢なセキュリティ基盤を構築することができます。

※負荷分散(ロードバランシング)…複数のサーバーに対して、負荷を均等に分散する技術。1つあたりのサーバーの負荷を軽くすることで、システムなどのパフォーマンス向上が見込める。
※クラスタリング技術…複数のコンピュータをまとめて1つのシステムとして動作させる技術。処理能力を集約することで、可用性や耐障害性を向上させられる。

導入・設定、保守・運用観点での比較

ITリソースが限られている企業にとっては、導入コストや運用の管理しやすさも重要な選定ポイントです。
ここでは、各セキュリティ機器のメリットとデメリットを、導入・設定、保守・運用の観点で比較していきます。

ルーターの導入・運用

一台目のネットワーク機器として、ルーターは特に小規模オフィスや限られたリソースの企業に適しています

導入・設定

ルーターの設定は比較的簡単で、基本的なネットワーク知識さえあれば、IPアドレスの設定やルーティングの調整を行えます。ほかのセキュリティ機器と比べてコストも抑えることが可能です。

保守・運用

ルーターは一度設定すれば頻繁な変更は必要ないため、日常的な運用負荷は高くありません。一方で、ファームウェアやセキュリティパッチの適用を怠ると、サイバー攻撃の対象となるリスクが高まります。定期的なソフトウェアアップデートが不可欠です。

ファイアウォールの導入・運用

より高度なセキュリティ機能を提供するファイアウォールは、機密性の高いデータを扱う企業に適しています。

導入・設定

ファイアウォールは、セキュリティポリシーやアクセス制御の細かい調整を行うため、労力と時間がかかり、導入コストが増加する場合があります。企業のニーズに合わせたきめ細かいセキュリティ対策が可能ですが、初期設定時には専門家のサポートが必要です。

保守・運用

ファイアウォールの運用には定期的な監視が必要で、セキュリティポリシーの変更や脅威への対応を迅速に行わなければいけません。
例えば、新たなアクセス制限を設ける場合、ファイアウォールの設定を変更し、変更内容がネットワーク全体のアクセス権限にどう影響するかを確認する必要があります。また、新たに確認された脅威や攻撃手法に対応するため、必要に応じてフィルタリングルールやポリシーを見直すことも重要です。

UTMの導入・運用

UTMは一台で多くのセキュリティ機能を担うため、複数のセキュリティ機器を導入するよりも効率的な管理が可能です。

導入・設定

UTMは、基本的な設定はシンプルで、管理も比較的容易です。しかし、多機能ゆえに、カスタマイズを行うには専門知識が求められます。包括的なセキュリティを求める企業に適していますが、ルーターとファイアウォールに比べて導入コストは高めです。

保守・運用

UTMは多機能なため、複数のセキュリティ機器を個別に管理するよりも運用の手間はかかりません。しかし、故障やダウンタイムが発生した場合、ネットワーク全体に影響を及ぼすリスクがあります。定期的なメンテナンスを行うほか、機器の冗長構成を導入して万一のトラブルに備えましょう。

ルーター、ファイアウォール、UTM選定時に考慮すべきポイント

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近年では、中小企業を含む、あらゆる規模の企業を狙ったサイバー攻撃が増加しています。ルーター、ファイアウォール、UTMの選定は、企業のセキュリティ環境を確保するうえで重要です。

セキュリティのニーズ

事業内容や規模によって、求められるセキュリティレベルは大きく異なります。例えば、小規模なオフィスで、主にインターネットアクセスやファイルの共有が目的である場合は、ルーターに組み込まれた簡易的なファイアウォール機能で十分なことが多いです。
しかし、機密性の高いデータを扱う企業や頻繁に外部とのデータ連携が必要な企業では、より高度なセキュリティ機能を持つUTMやファイアウォールの導入が推奨されます。

例えば、 金融関連業務ではオンラインバンキングや決済システムを扱うため、専用のファイアウォールを導入する必要があります。同様に、個人情報や医療情報を大量に保管・処理する業務では、堅牢なセキュリティ対策が欠かせません。
また、複数の拠点間でVPN接続が必要な場合や、クラウドサービスと社内システムの連携がある場合も、専用ファイアウォールの導入が推奨されます。リモートワーク環境を整備する場合も、セキュリティ対策が重要になるでしょう。

さらに、企業のニーズだけでなく、将来的な事業拡大や外部とのデータ連携を見据えて、拡張性や柔軟性を備えた機器を選定することも重要です。セキュリティ対策は一度の導入で完結するものではなく、企業の成長や変化に合わせて適応させていくことが求められます。

業界のセキュリティ基準

企業が属する業界によっては、特定の法規制や業界ガイドラインに基づくセキュリティ基準を満たす必要があります。
例として、医療機関と金融機関における規制・基準をご紹介します。

適用される規制・基準

選定ポイント

医療機関

個人情報保護法、医療法、HIPAA

医療データ暗号化、アクセス制御の厳格化、HIPAAコンプライアンス

金融機関

金融庁ガイドライン、FISC 、PCI-DSS

顧客データ保護、不正アクセス防止、金融取引の監視

上図のように、特定の業界では情報セキュリティに関する規制に準拠した体制を整えなければいけません。 業界固有の要件を確認し、それらに対応できる機能を持つ製品を選びましょう。

事業規模

企業の規模によっても、適したセキュリティ機器は異なります。中小企業の場合、ITリソースが限られているケースが多いため、簡単に管理できる製品が望まれます。また、リモートワークやモバイルワークに対応できるVPN機能や、Webフィルタリング機能が必要な場合は、UTMを用いてコストや管理負荷を抑えながら高いセキュリティを実現する手段が有効です。

ただし中小企業では、UTMの複雑な機能が逆に管理負荷を増やす場合もあるため、シンプルで直感的に操作できる機器を選ぶことが大切です。 特定の機能に特化したファイアウォールやルーターは、管理がシンプルで操作も分かりやすいケースが多いため、用途に応じた使い分けを行いましょう。

マネージドUTMレンタルサービスの活用

自社内での運用が難しい場合は、マネージドUTMレンタルサービスの活用も一つの選択肢です。マネージドUTMレンタルサービスとは、クラウド型UTMとリース契約の中間に位置するサービスで、ハードウェアの提供から設定、保守、監視までをベンダーに委託できます。
ITリソースが不足している中小企業にとっては、セキュリティ管理の負担を大幅に軽減し、効率的に高度なセキュリティを維持できるメリットがあります。

パフォーマンス

セキュリティ機器を選定する際は、ネットワークのパフォーマンスにも注意を払う必要があります。特に、リアルタイムでの動画配信やオンライン会議などを利用する場合、高速なデータ処理能力が求められます。
セキュリティ機能が充実しているほど、処理負荷が増加し、ネットワーク全体のパフォーマンスに影響を与えるおそれがあるため、セキュリティとパフォーマンスのバランスを考慮することが大切です。

ハードウェアスペックと処理能力の確認

導入機器のプロセッサ、メモリ、ネットワークインターフェースといったハードウェアスペックが、自社のネットワーク環境に適合しているかを確認しましょう。高度なセキュリティ機能を持つUTMやファイアウォールの場合、通信速度や安定性に大きく影響します。
また、並列処理能力やキャッシュ機能も、複数のセキュリティ機能を同時に稼働させる際のパフォーマンスを左右する要素です。

スループットの考慮

スループットとは、ネットワーク機器が一定時間内に処理できるデータ量で、ネットワーク全体の処理能力を表す指標です。例えば、社員が多数いる企業や大規模なデータ処理を行う環境では、スループットの高い機器を選ぶことで、ネットワークのパフォーマンスを最適化できます。

コスト

ネットワーク機器の導入では、初期費用と長期的な運用コストをバランス良く抑えながら、セキュリティを強化することが重要です。

自社の要件を満たす製品を選定する

UTMのような多機能デバイスは、複数のセキュリティ機能を提供しますが、すべての機能が必要とは限りません。UTMの機能をすべて使うと、ライセンス費用や運用コストが増大し、割高になる場合があります。

ファイアウォールは、ネットワークトラフィックのフィルタリングなど、ネットワークの境界セキュリティとして重要な役割を果たすため、 他の機能が不要であれば、ファイアウォール単体の導入が最もシンプルでコスト効率の高い選択肢となります。ただし、ファイアウォールで必要要件を満たすことが難しい場合は、UTMを導入し、自社の規模やセキュリティニーズに合致した機能に絞り込み不要な機能をオフにすることで、無駄なコストを抑えられます。

また、業務拡大に備えて、スムーズにスケールアップできる機器を選定することで、将来的な追加費用を抑えられます。

クラウド型製品の活用

クラウド型ファイアウォールやUTMを導入すれば、初期費用を抑え、柔軟にリソースを管理できます。ルーターもクラウドベースで管理することで運用コストを抑えることができますが、インターネット接続に依存するため、通信環境の安定性が必要です。

オープンソースの活用によるライセンス費用削減

ライセンス費用を抑えるには、オープンソースのUTMやファイアウォール、ルーターを導入することも一案です。「pfSense」や「OPNsense」 といったオープンソース製品は、ライセンス費用がかからず、初期投資を抑えられます。
これらのオープンソースUTMやファイアウォールとルーターを組み合わせて運用することで、トータルコストを下げることができます。ただし、商用製品に比べてサポート体制が整っていないことが多いため、セキュリティアップデートの対応やサポートを自社で行えるかどうかが鍵となります。

リース契約で初期費用を抑える

ハードウェアの一括購入が難しい場合、リース契約を活用することで初期費用を抑えられます。リース契約は、初期費用の分割払いが可能で、月々の支払いでキャッシュフローを改善できる点がメリットです。また、リースには通常保守サービスが含まれており、ハードウェアのメンテナンスにかかる運用負担が軽減されます。

複数ベンダーからの見積もり取得と交渉

コスト削減を図るためには、複数のベンダーから見積もりを取り、価格やサポート内容を比較することが不可欠です。また、相見積もりの取得により、ベンダーとの価格交渉の機会が生まれ、より良い条件で契約できる可能性が高まります。

ベンダーのサポート体制

トラブルが発生した際に迅速な対応を得られるか、保守契約の内容が自社のニーズに合っているかを確認しましょう。また、製品のライフサイクルや、ベンダーがどれだけ長期的に製品をサポートするかも重要な要素です。

自社で行うリスクと専門業者に導入・運用を依頼するメリット

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ネットワーク機器の導入時は、単に機器を設置するだけではなく、ネットワーク全体の設計、初期設定、セキュリティポリシーの構築など、専門的な知識と経験を要する作業が数多くあります。また、導入後も継続的な監視、ログ管理、セキュリティパッチの適用、機器のアップデートなど、日常的な保守業務が欠かせません。
これらを自社で行う場合、予期せぬリスクや負担が発生し、企業の成長に影響を及ぼすおそれがあります。

自社で導入・運用するリスク

自社でファイアウォールやUTMなどのネットワーク機器を導入・運用すると、設定ミスや人材不足、長期的な運用負担の増加などが発生するおそれがあります。これらのリスクは、セキュリティに関する重大な問題を引き起こしかねないため、慎重に管理しなければなりません。

設定ミスによるリスク

ネットワーク機器の導入や設定は複雑なプロセスを伴います。セキュリティポリシーの誤設定やポート開放のミスがあると、外部から容易に侵入されるリスクが高まります。その結果、企業の信用を損ない、業務停止や法的責任を問われる危険性もあるため注意が必要です。

人員不足によるセキュリティリスク

中小企業では、IT部門が少人数で構成されているか、専門のセキュリティ担当者がいない場合があります。人員が不足していると、日々のセキュリティ監視や、トラブル発生時の迅速な対応が難しく、最新のセキュリティ脅威に対応できません。
サイバー攻撃の手法は日々進化しているため、最新のセキュリティパッチやファームウェアの更新を行わなければ、企業のネットワークは脆弱性を抱え続けることになります。

長期的な運用負担

ネットワーク機器の導入後も、定期的なメンテナンスや監視作業は必須です。また、企業が成長し、ネットワーク規模が拡大するにつれて、さらに複雑な管理が求められます。こうした長期的な負担は、社内リソースを圧迫し、最終的に企業全体の業務効率低下につながります。

専門業者に依頼するメリット

ネットワーク機器の導入や運用におけるリスクを回避し、効率的なセキュリティ対策を実現するためには、専門業者に依頼することが効果的です。

専門知識と経験による高品質なサービス

専門業者は、企業の業種や規模に応じて最適なネットワーク設計を提供できます。最新のセキュリティ脅威にも対応した高度なセキュリティ設定や、トラブルシューティングを迅速かつ的確に行うノウハウを持っているため、自社のIT部門では対応が難しい複雑な問題にも対応可能です。

時間とコストの削減

専門業者に依頼することで、セキュリティ機器の導入や設定を迅速かつ効率的に進められます。
また、自社での導入・運用に必要な人的リソースを減らせるため、ほかの業務に人員を集中させることで、運用コストの削減にもつながります。

最新のセキュリティ対策の適用

専門業者は常に最新のセキュリティ情報に精通しており、新たな脅威に対応するためのパッチやアップデートを迅速に提供できます。

24時間365日のサポート体制

24時間365日対応のサポート体制を整えている専門業者であれば、トラブルが発生した際も迅速に対応してもらえます。特に、遠隔でのサポートが可能な場合、すぐに問題を解決してもらえるため、ネットワークのダウンタイムを最小限に抑えることが可能です。

まとめ~専門業者への依頼も検討しつつ、最適な機器を選択しよう~

本記事では、ルーター、ファイアウォール、UTMの違いや選定ポイントについて解説しました。特に中小企業において、セキュリティの強化は喫緊の課題となっており、各機器の役割を理解したうえで適切な製品を選択する必要があります。

しかし、セキュリティ機器の導入・運用には専門知識が求められ、設定ミスや管理の手間が増加するリスクがあります。ネットワーク機器の導入に不安がある方や、管理の負担を軽減したいとお考えの方は、専門業者への依頼を検討してみてください。
専門業者は、最新のセキュリティ脅威に対応しつつ、企業のニーズに応じた最適なネットワーク設計と運用サポートを提供するため、効率的な導入・運用とコスト削減を実現できます。

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