システム化とは?導入するメリット・デメリットや取り入れる手順を解説

2023.05.12(金)

  • Webシステム
システム化とは?導入するメリット・デメリットや取り入れる手順を解説

企業において、業務のシステム化を行うと、コスト削減や業務効率化などの効果が期待できます。

しかし、システム化といっても「まず何から始めていいかわからない」「難しそうだな」などと感じ、なかなか踏み出せない方もいるでしょう。そこで、本記事では、システム化のメリットから手順、事例まで網羅的に解説します。

手順を把握しておくと、スムーズに導入できるようになるので、システム化をご検討の方はぜひご一読下さい。

システム化とは

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システム化とは、企業が継続的に成果を出し続けるための仕組みを作ることです。業務の効率化や作業ミスを減らすなどの目的でシステム化が行われます。

システム化の種類

システム化の種類は、大きく以下の2種類に分けられます。

  • マニュアル化・ルール化
  • ITシステムの導入

マニュアル化・ルール化は、業務を誰が担当しても同じ成果が出せるようにする方法です。ITの知識やスキルがなくても導入しやすいのが特徴です。

また、ITシステムの導入は、ITを活用してデータ入力や分析などの定型作業を自動化する方法です。ある程度のIT知識やスキルが必要になりますが、手作業によるミスが減り、作業品質が大幅に向上します。

システム化できる業務例

システム化できる業務例は、以下のようなものがあります。

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  • 経理
  • 販売管理
  • 勤怠管理
  • コールセンター
  • 顧客管理 など

上記の業務は、業界を問わずシステム化されることが多くあります。もちろん、上記以外の業務もシステム化は可能なので、まずは、日常の業務フローや作業を整理して、システム化することが適しているのか検討してみましょう。

システム化の方法

前項「システム化の種類」で、システム化は大きく「マニュアル化・ルール化」と「ITシステムの導入」があるとお話ししました。
それぞれ、どのような方法があるのか確認しましょう。

マニュアル化・ルール化

「マニュアル化・ルール化」はその名の通り、業務フローや作業内容・ルールを定め仕組みにして明文化し、誰がその業務を行っても同じ時間・クオリティで仕事ができるように目指すことです。
業務の目的・意義、業務の手順とやり方、ルール、注意点などを洗い出し、資料にまとめていく作業になります。

ITシステム

ITシステムを導入する方法は、大きく「パッケージ」「スクラッチ開発」に分けられます。

パッケージとは、あらかじめ構築されたシステムの枠組みを活用して、自社の業務に活用する方法です。自社でシステムを開発する必要がなく、費用を抑えられたり、導入後すぐに利用を開始できたりします。

スクラッチ開発は、オーダーメイドで独自システムを開発する方法です。自社が求める機能を搭載でき、既存システムとの連携も容易にできます。
ただし、0からシステムを開発するため、パッケージよりも費用が高く、開発期間が長くなる傾向にあります。

業務をシステム化する4つのメリット

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業務をシステム化するメリットは、以下の4つが挙げられます。

    • 業務の効率化・コスト削減につながる
    • ミスを軽減できる
    • 業務の属人化を防げる
    • データを管理しやすくなる

    順番に見ていきましょう。

    業務の効率化・コスト削減につながる

    業務をシステム化することで、今まで作業にかかっていた時間を短縮できます。また、ITシステムの導入によって作業が自動化されたり、マニュアル化することで作業手順が確立されたりします。

    無駄な作業を減らして効率的に成果が上がるようになるので、残業といった人件費の削減にもつながります。ストレスのない業務の実現によって従業員が働きやすい環境を作れるため、精神的・身体的な負担を軽減できます。

    ミスを軽減できる

    システム化により業務の品質向上が実現可能です。マニュアル・ルールの整備による業務の定型化とITシステムの導入により、手作業によるミスを減らし業務を自動化できるので、常に一定のパフォーマンスを得られるようになります。特にデータ入力や分析などの業務を手作業で行う場合、データが大量にあるほどミスが発生する確率が高まります。

    業務の品質を高めるには、システム化は欠かせないと言えるでしょう。

    業務の属人化を防げる

    システム化を実現することで、誰が対応しても同じ成果を出せるようになります。業務をマニュアル化・ルール化することで、業務の手順が明確に定義されるためです。担当者が急に休んだり退職したりしても、引き継ぎが容易に行えるので、後任者がスムーズに業務を行えます。

    さらに、ITシステムの導入で、誰でも簡単な操作で業務が進むような仕組みができれば、さらに属人化を避けて業務の自由度や効率化を実現することができます。

    データを管理しやすくなる

    ITシステムの導入により、従来よりもデータ管理が容易になります。システム上でデータを一元管理できるため、利用者であれば誰でもデータの閲覧・編集などを行うことが可能です。データの更新は、リアルタイムで利用者全員に共有されるので、周囲に連携する必要がありません。

    また、データの管理方法をマニュアル化すれば、全社員が共通の認識でデータを作成・保存できます。組織としてデータを管理しやすくなり、データを探す手間を短縮し、業務の効率化につながります。

    業務をシステム化する4つのデメリット

    業務をシステム化する際はメリットだけでなく、デメリットもあるので注意しましょう。
    システム化のデメリットは以下の通りです。

      • 専門知識が必要になる
      • 構築までに時間・費用がかかる
      • 業務遅延のリスクがある
      • 情報漏洩のリスクがある

      専門知識が必要になる

      ITシステムを導入するには、ITの知識・スキルが必要です。ある程度、専門知識がある人材、または外部のシステム会社などがいないと、システムをうまく使いこなせず失敗する原因になります。これでは、システム化したにも関わらず、従来よりも業務の効率が悪くなってしまいます。

      また、ITシステムを運用していくには、問い合わせ対応やレクチャーなど、従業員へのサポートを行うシステム管理者が必要なほか、セキュリティ対策にも気を配る必要があります。システム化にITを活用する際は、自社内で専門知識を習得することや、ITのプロによるサポートをもらうことを計画に含めて実行しましょう。

      時間・費用がかかる

      ITシステムは、導入を決めてから、実際に利用できるようになるまで時間がかかります。システム化する業務範囲の決定やツールの選定のほか、導入後はシステムを使えるように設定を行い、場合によっては利用者へのレクチャーなどの機会も必要になります。
      特に独自システムを開発する場合、要件によりますが半年以上かかるケースもあります。計画を立てて導入を進めなければ、システム化の実現が長引いてしまいます。

      また、ITを活用する際は、ツールやシステム開発の費用が必要です。使える機能が多いほど、費用が高額になります。システムに必要な機能を見極め必要な予算を確保できなければ、自社の要望を満たすシステム化が実現しづらくなります。

      業務遅延のリスクがある

      ITシステムは、災害や停電などの予期せぬトラブルによって停止する可能性があります。システムが停止した場合、復旧するまでの間の業務に影響が出てしまいます。

      ITシステムを導入する際は、システム停止のリスクを理解したうえで、事前に対策をするのが重要です。対策をしておくことで、万が一トラブルが起きても被害を最小限に抑えられます。

      情報漏洩・データ消失のリスクがある

      ITシステムの導入で情報をデータ化した場合、情報漏洩のリスクに注意が必要です。システム上で情報を管理するため、外部からの不正アクセスを受ける可能性を想定しておかなければなりません。
      外部からの攻撃だけでなく、人為的ミスによる情報漏洩にも注意が必要です。
      リスクを軽減するためにシステム化と並行してセキュリティ対策と、従業員のセキュリティに対する意識の向上も行いましょう。

      また、誤ってデータを削除してしまうなど、ヒューマンエラーによるデータ消失にも備えておきたいところ。こちらは、データのバックアップを取る仕組みを取り入れるのが有効です。

      システム化を進める手順

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      システム化を進める際の手順を把握すると、導入時に抜け漏れなく作業を進められます。それぞれの手順を見ていきましょう。

      業務のマニュアル化

      まず業務のマニュアル化を行う手順を紹介します。

      1.マニュアル・ルールを作成する

      業務の手順や目的などを明確にして、マニュアル・ルールを作成していきます。

      業務を深く理解し、誰でも正しい運用ができるように、まずは、業務の目的・フローなどの全体概要がわかる説明を入れるのがポイントです。業務手順など特定の情報しか伝えないと、目的からずれた間違った運用になる可能性があります。

      また、業務手順を説明する際は、画像や図表を利用するのが効果的です。複雑な説明をする場合、文章だけでなく画像もあると読み手が操作をイメージしやすくなり、より役立つマニュアルになります。業務の引き継ぎも短縮できるほか、後から見返してもわかりやすいので、スムーズな業務遂行が期待できます。

      2.試しに業務を実行する

      マニュアルを作成したら、試しにマニュアル通りに業務を実行してみましょう。マニュアル通りに動作するのか確認することで、マニュアル・ルールを公開したあとの利用者の混乱を防げます。

      確認を行う際は、複数人で試してみるのが効果的です。複数人で同じ操作ができれば、マニュアルが正しい内容になっていると言えます。

      3.必要に応じて修正する

      マニュアル・ルールを実際に試してみて、改善が必要な部分は修正を行いましょう。また、他の人に内容を確認してもらい、わかりやすい記載になっているのか確認します。問題がなければ、社内や担当者などに公開して活用しましょう。

      ITツールの導入・システム開発

      続いてITツールの導入・システム開発を行う手順を紹介します。

      1.目的・課題を明確にする

      「なぜITツールを導入するのか」を明確にしましょう。目的や課題を明確にすることで、自社のニーズがわかり、必要なITツールを選定・導入しやすくなります。
      例えば、以下のような目的・課題が想定されます。

      • 業務を効率化したい
      • 人件費を削減したい
      • ペーパーレス化を実現したい
      • 業務品質を向上させたい

      目的・課題は、できる限り具体的にするのがポイントです。システムの導入後をイメージしやすく、効果的な対策を検討しやすくなります。

      また、システム化する部分の検討も行います。すべての業務をシステム化すると、膨大な時間や工数がかかってしまうためです。小さい範囲から取り掛かると、円滑にシステム化を実現できます。

      2.他社の類似事例を参考にする

      過去にシステム化の経験がない場合は、他社の類似事例を参考にするのが効果的です。実際の活用シーンを把握することで、自社での活用方法のイメージを掴みやすくなります。

      インターネット上には、さまざまな業務のシステム化事例があるので、参考にしてみてください。

      3.ITやシステムに詳しい企業の支援やアドバイスを受ける

      ITに詳しい人材が社内にいない場合、専門家の支援やアドバイスを受けるのも効果的です。システム化に精通しているプロの意見を聞くことで、自社では思いつかないような効果的な施策の提案がもらえることも期待できます。

      4.システム化する対象業務を洗い出す

      「どの業務をシステム化するのか」を洗い出していきます。優先順位なく手あたり次第システム化を進めると、後の工程のシステム選定が行いづらくなったり、業務の進め方が複雑になったりすることがあります。

      対象業務の洗い出しは、課題・問題点を確認して、優先順位を決めて取り組むのがポイントです。課題・問題点を解決できるシステム化を優先順位に沿って行うと、より効果を実感しやすくなります。

      5.自社のニーズを満たすシステムを選定する

      自社のニーズを満たすITツールの選定を行いましょう。ツールは導入して終わりではないため、導入後の運用のしさすさも考慮して選ぶのがおすすめです。運用がしやすいと、円滑に業務を遂行できます。

      また、業務や要望などによって、ITツールではニーズを満たせないケースもあります。その際は、オリジナルシステムの開発を行うのが効果的です。独自のシステムなので、カスタマイズ性に優れており、自社の業務に合わせて開発できます。

      6.システムを導入する

      ツールの選定やシステム開発ができたら、導入を進めていきます。自社内にエンジニアがいない場合、システム開発会社に依頼するのが無難です。その際、開発会社に丸投げせず、双方で共通認識を持つと理想のシステム化を実現することができます。

      7.効果測定をする

      ITシステムの導入後は、定期的に効果測定をしましょう。期待する成果が出ていれば、そのまま継続して利用します。効果が出ていないようであれば、問題点を発見し対処法の検討を行いましょう。

      企業におけるシステム化の事例

      弊社でシステムを導入したお客様で、実際に業務の効率化を実現した事例を紹介します。

      Webシステムで利便性向上、業務効率化、ペーパーレスを実現

      新潟県に本社を置き、ケーブルテレビ事業や電気通信事業を行う株式会社 エヌ・シィ・ティの事例です。

      同社では、インターネットやケーブルテレビ、固定電話などの暮らしに役立つさまざまなサービスを提供しており、契約手続きをする際に法令等で定められた手順を踏む必要があったため、申し込み書類が膨大になっていました。

      結果、お客様が行う手続きの煩雑化や、社内の受付スタッフの負担も増加するといった課題を抱えていました。

      そこで弊社は、AWSを活用したWebシステムの導入を提案し、ユーザーの利便性向上と社内負荷削減を実現するシステム開発を行ったところ、申し込み手続き時の記入漏れや不備を減らし顧客の利便性や満足度の向上を実現しました。
      加えて、従来の目視作業を大幅に減らし、社内の事務工数やミスの削減にもつながっています。

      社会的意義の高い検査を支えるWebシステム

      教育事業や医療福祉事業、保険事業などを展開する愛宕商事株式会社の事例です。

      同社は、新潟県内で初めての民間PCR検査センターを開設しました。しかし、短期間でセンターを立ち上げたために、業務システムは最低限の導入となっていまでした。
      業務のシステム化が進んでいない中、現場スタッフに大きな負担がかかっていたため一刻も早く軽減することが必要でした。

      そこで弊社は、利用者の個人情報や検査結果を一元管理できる顧客管理システムの開発を行い、「予約の受付」から「検査結果のメール送信」まで、すべての業務フローを連動して管理できるようにしました。

      システム化により業務が一気に改善されました。時に夜までかかることもあった作業が、ほぼ残業なしでできるほどに業務効率が改善され、業務負荷の軽減によってスタッフの定着率も上がるといった効果が得られました。

      業務のシステム化を実現しよう〜まとめ〜

      システム化とは、企業が継続的に成果を出し続けるための仕組みを作ることです。業務に対して「マニュアル・ルールの作成」「ITシステムの導入」といったシステム化を行うと、業務の効率化やコスト削減などの効果があります。

      企業として健全な経営を行うためには、従業員の事務的な業務を軽減し、より発展的な業務にリソースが使えるようになることが必要です。業務のシステム化を行う際は、本記事を参考にシステム化の目的や課題を明確にすることから始めてみてください。


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