AWSでWebサーバーを構築する基本手順と注意点をわかりやすく解説!

2026.02.13(金)

  • クラウド
AWSでWebサーバーを構築する基本手順と注意点をわかりやすく解説!

現代の企業活動において、Webサイトの管理・運用はもはや必須となりました。

また、Webサイトを公開するために必要なWebサーバーの管理も企業における業務の一環となりつつあります。

最近では、初期費用の削減や柔軟な拡張性、災害対策の容易さから、クラウドサービスを利用したWebサーバーの導入が日本の企業や自治体でも進んでいます。

しかし、クラウドサービスを利用したWebサーバーの導入には、その全体像の理解や、基本要素の設定手順が最初のハードルとなりがちです。初心者の方にとっては、まず何から手をつけるべきか、適切な構成は何か、といった疑問が尽きないことでしょう。

この記事では、世界最大規模を誇るクラウドサービスであるAmazon Web Services(AWS)を利用したWebサーバー構築の基本から具体的な手順をご紹介します。

AWSでWebサーバーを構築するために利用する主要なサービス

AWS(Amazon Web Services)を利用してWebサーバーを構築する際には、複数のサービスを組み合わせて構成することが一般的です。

ここでは、Webサーバー構築に不可欠なAWSの主要サービスについて、初心者の方向けにわかりやすく解説します。

仮想ネットワーク環境を構築する「Amazon VPC」

Amazon VPCは、AWSクラウド内に自分専用の隔離された仮想ネットワークを作成するサービスです。
Amazon VPCを利用することで、データセンターにある従来のネットワークと同様に、IPアドレス範囲、サブネット、ルートテーブル、ネットワークゲートウェイなどを完全に制御できます。

インターネットへの接続口となる「Internet Gateway」

Internet Gatewayは、VPCとインターネット間の通信を可能にするコンポーネントです。

これがないと、VPC内のリソース(EC2など)はインターネットと通信できず、Webサーバーとして機能しません。

Internet GatewayをVPCにアタッチすることで、インターネットとの双方向通信が可能になります。

アクセス負荷を分散させる「ELB」

ELB(Elastic Load Balancer)は、複数のサーバー(EC2インスタンスなど)にトラフィックを自動的に分散し、アプリケーションの可用性と耐障害性を高めるサービスです。

Webサイトへのアクセスが集中しても、システム全体がダウンすることを防ぎ、常に安定したサービス提供を可能にします。

アプリケーションが稼働する仮想サーバー「Amazon EC2」

Amazon EC2は、クラウド上の仮想サーバーを提供するサービスで、Webサーバーの「本体」となります。

Amazon EC2を利用すれば、物理的なサーバー機器の用意が不要となり、OS、ストレージ、メモリなどのスペックを用途に応じて選択し、サーバーを簡単に作成・起動できます。

顧客情報などのデータを管理するデータベース「Amazon RDS」

Amazon RDSは、MySQL、PostgreSQLなどのリレーショナルデータベースをクラウド上で簡単にセットアップ、運用、スケールできるサービスです。

データベースの管理(パッチ適用、バックアップ、障害対応など)をAWSが代行してくれるため、管理負担を大幅に軽減できます。

Webサイトの画像などを保管するストレージ「Amazon S3」

Amazon S3は、Webサイトの画像、動画、ドキュメントなどの静的ファイルを保管するのに最適なクラウドストレージサービスです。

高い耐久性、可用性、セキュリティ、拡張性を備えており、データバックアップ先としても広く利用されています。

AWSでWebサーバーの構築を始めるための10ステップ

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AWSでWebサーバーを構築する基本的な手順を、10のステップに分けて解説します。

ステップ1:AWSアカウントの作成

AWSの利用を開始するには、まずAWSアカウントを作成する必要があります。

メールアドレス、電話番号、クレジットカード情報などを用意し、登録を進めましょう。

AWSアカウントの作成が完了すると、無料利用枠を活用して一部のサービスを試用できます。

ステップ2:不正利用を防止する「多要素認証(MFA)」の設定

セキュリティの観点から、AWSアカウント作成直後にルートユーザーに対して多要素認証(MFA)を設定することをおすすめします。

MFAは、ログイン時の認証コードをスマートフォンアプリなどで生成し、パスワードだけでなく別の要素で認証を強化します。

ステップ3:セキュリティの基本「IAMユーザー」の作成

日常の運用では、アカウント作成時に設定したルートユーザーではなく、IAM(Identity and Access Management)ユーザーを作成し、最小限の権限を与えて利用するのが基本となります。

こうすることで、万が一、IAMユーザーのアカウント情報が漏えいしても、被害を最小限に抑えることができます。

ステップ4:ネットワーク環境の構築(VPC)

AWSマネジメントコンソールでVPCサービスへ移動し、仮想ネットワークを設計・作成します。

具体的には、IPアドレスの範囲(CIDRブロック)を指定し、その中にサブネット(VPC内のIPアドレス範囲の一部)とInternet Gateway、ルートテーブルを設定します。

サブネットはパブリックサブネット(インターネット接続が必要なリソース用)とプライベートサブネット(RDSなど内部通信のみのリソース用)に分けて作成し、ルートテーブルは個別に設定することが推奨されます。

ステップ5:仮想サーバーの起動(EC2インスタンス)

Amazon EC2で、Webサーバーとして利用するインスタンス(仮想サーバー)を起動します。

OS(Amazon Linux, Ubuntu, Windowsなど)を選択し、インスタンスタイプ(CPU、メモリ容量)を選定します。

この際、インターネットからのアクセスを許可するためのセキュリティグループの設定が必要です。

ステップ6:Webサーバーソフトウェアのインストール

起動したEC2インスタンスにSSHで接続し、Webサーバーとして機能させるためのソフトウェア(ApacheやNginxなど)をインストールし、設定します。

ステップ7:データベースサーバーの構築

Webアプリケーションが必要な場合は、Amazon RDSを利用してデータベースサーバーを構築します。

利用するデータベースエンジン(MySQL、PostgreSQLなど)を選択し、インスタンスのスペック、ネットワーク(VPC内)の設定を行います。

また、セキュリティグループはインバウンドルール(受信)とアウトバウンドルール(送信)の両方で制御されます。

ステップ8:Webサーバーとデータベースの連携設定

EC2上のWebサーバーからRDS上のデータベースに接続できるよう、アプリケーション側の設定ファイルに必要な情報(エンドポイント、ユーザー名、パスワードなど)を記述し、連携します。

ステップ9:独自ドメインとIPアドレスの設定

Webサイトを公開するためには、Elastic IPアドレスの割り当て、またはELBなどのロードバランサーを利用し、Route 53などのDNSサービスで独自ドメインを紐づける設定が必要です。

ステップ10:万が一に備えるバックアップの設定

システムを安定稼働させるために、定期的なバックアップは必須です。

EC2インスタンスやRDSデータベースのスナップショット(特定の時点のコピー)を定期的に取得できるよう設定します。

AWSでWebサーバーの構築・運用をする際の注意点

AWSでWebサーバーの構築・運用を行う際に見落としがちな、5つの注意点を解説します。

【セキュリティ】初期設定が肝心!必ず実施したいセキュリティ対策

AWSでは、初期設定がセキュリティの鍵となります。
セキュリティグループやネットワークACLなどの設定で、必要な通信だけを許可し、不要なポートは閉じることが鉄則です。

特に、SSHアクセス(ポート22)は、自身のIPアドレスからのみ許可するなど、厳格なアクセス制御を行うことが、不正アクセス防止につながります。

【コスト管理】"いつの間にか高額請求"を防ぐために

AWSは従量課金制であり、使った分だけ料金を支払う仕組みですが、設定ミスやリソースの放置により意図せず高額な請求が発生してしまうことがあります。
無料枠の利用範囲を把握し、無料期間が終了するリソースや、利用頻度の低いリソースは定期的に停止・削除するなどのコスト管理が必要です。

AWS Budgetsなどの機能を利用してアラートを設定し、想定以上の費用が発生しそうになったら通知が来るようにするのも有効です。

【運用・監視】構築してからが本番!安定稼働のための計画

サーバーは構築して終わりではなく、その後の運用・監視が重要です。OSやアプリケーションの定期的なパッチ適用、サーバーのリソース使用状況(CPU、メモリなど)の監視を計画的に行う必要があります。

CloudWatchなどの監視サービスを活用し、異常を早期に検知できる体制を構築しましょう。

【ドキュメント】未来の自分のために「構築の記録」を残す

後々の運用やトラブルシューティングのためには、構築時の設定内容、利用しているAWSのサービス、ネットワーク構成図、重要な設定値などをドキュメントとして残しておくことが重要です。

担当者が変わってもスムーズに引き継ぎができるよう、明確で詳細な記録を残しましょう。

【拡張性】ビジネスの成長に合わせて運用計画を立てる

AWSの最大のメリットの一つは、スケールアップ(サーバーの追加)・スケールダウン(サーバーの削減)が容易であることです。

まずは必要最小限の構成でスモールスタートし、Webサイトへのアクセス数の増加やビジネスの成長に合わせて、スケールアップして柔軟に対応する戦略も取れます。また、事業やアクセス数が縮小した場合はスケールダウンするのも簡単です。

適切なリソース管理のためにも、事業計画とあわせてサーバーの運用計画を立てましょう。

AWSでのWebサーバーの構築・運用は自社ですべき?専門家へ依頼すべき?

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AWSでのサーバー構築・運用は、特に初心者にとっては複雑で専門的な知識が要求されます。

自社で全てを対応するか、AWSパートナー企業のような専門家に依頼するかは慎重に判断する必要があります。

自社構築・運用が向いているケース、専門家への依頼が向いているケースは、それぞれ次の通りです。

自社構築・運用が向いているケース

  • 社内にクラウドの専門知識を持つエンジニアがいる。
  • 構築だけでなく、構築後の運用・監視も内製化したい。
  • 小規模な検証や学習目的で、時間とコストをかけて自力でサーバー構築に挑戦したい。

専門家への依頼が向いているケース

  • インフラ運用の負担を減らして、本来の業務に集中したい。
  • 社内にクラウドの専門知識を持ったエンジニアがいない。
  • ベストプラクティスに基づき、セキュリティが高く、障害に強い構成を短期間で実現したい。
  • AWSの導入から運用、セキュリティ設定まで一貫したサポートが欲しい。

まとめ~AWSのメリット・サービスを理解してWebサーバーを構築しよう~

AWSは、あらゆる企業にとって、迅速かつ柔軟にITインフラを構築できる強力なプラットフォームです。

AWSによるWebサーバーの構築には、インフラ運用管理の不要化、スモールスタートによるコスト削減、高い可用性などのメリットがあります。
VPC、EC2、RDSなど主要なサービスの特長を理解し、セキュリティとコスト管理に注意しながら進めることが重要です。

自社のリソースと専門性を考慮し、構築・運用に不安がある場合は、AWSパートナー企業に依頼するのがおすすめです。

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