クラウドネィティブなシステム開発でレガシーシステムを刷新
株式会社アイテック 様
導入サービス : AWS構築支援サービス/Webシステム開発
課題 : レガシー化してしまった業務システムを最新の技術を使って刷新したい

株式会社アイテック 様
[ 事業内容 ]小売業向け業務システムの企画・設計・開発・運用
株式会社アイテック様(新潟県長岡市)は、食品スーパー等小売業向けに業務システムの企画・設計・開発から運用・保守までを一貫して提供する企業です。これまでに100社以上にシステムを導入し、商品発注や人時管理など多様な業務の効率化と情報管理の高度化を実現。情報セキュリテイに対する取り組みも重視しISO27001(ISMS)などの認証も取得しています。IT技術を駆使し、小売業のデジタル変革を推進することで、地域経済の活性化に貢献しています。
株式会社アイテック様は、食品スーパーを中心に小売業向けの業務システムを開発・運用するIT企業で、すでに100社以上に導入実績があります。しかし、一部、オンプレ環境からVMwareの仮想基盤上に移設後レガシー化してしまったシステムがあり、OSの仕様によるディスクサイズの制限やセキュリティリスクといった課題を抱えており、より柔軟で持続可能なシステムへの移行が求められていました。
そこで、クラウド開発の実績を持つグローバルネットコアと共同実証というスタイルで、レガシーシステム脱却プロジェクトを開始しました。今回はアイテック様もグローバルネットコアとともに開発に参加し、一部のシステム実装を担当することで、クラウドネイティブな技術に実際に触れています。単なるシステムの導入ではなく、両社が技術を学び合いながらシステムを開発する取り組みが、今回のプロジェクトの大きな狙いでもありました。
※掲載内容は取材当時のものです▼本共同実証に関するプレスリリースはこちらから
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000003.000122769.html課題
レガシーシステムをサーバレス技術で刷新する共同実証
- レガシーシステムの運用に対する負担感
- 仮想環境からサーバーレス環境へとモダン化を目指す
- 両社の目的が一致する「共同実証」への挑戦
理由
共同実証による両社の経験値の向上
- プロジェクトを通してAWSクラウドの経験値をより深める
- クラウドネイティブな技術を採用し持続可能なシステム構築
- 両社が取り組みやすい環境でスピーディーに開発
成果・効果
安定運用とエンジニアリングの進化に手応え
- サーバレス構成による業務効率の大幅改善
- より高度な技術の習得と開発スピードの加速
- 両社の成功体験と今後への展望の広がり
導入前の課題
レガシーシステムをサーバレス技術で刷新する共同実証
アイテック様では、長年使用してきたオンプレミス環境のシステムをからVMwareの仮想基盤上に移設したものの、レガシー化により運用負担の増大やセキュリティリスクが課題となっていました。特に、スケーラビリティの面で制約があり、こまめなメンテナンスを余儀なくされていました。その解決策を模索していたものの、社内には十分な知見がなく、適切な移行方法が求められていました。こうした中で、クラウドネイティブな開発への関心が高まり、外部の専門知識を活用しながら新たな技術を習得する機会を求める声が上がっていました。
ちょうどそんな中、株式会社アイテックの長谷川様とグローバルネットコアの担当者がやり取りする中で、共同実証が話題にあがりました。
「グローバルネットコアさんからクラウドネイティブな技術を使った開発のお話があって、ちょうどこちらもレガシーシステムからの脱却を考えていたタイミングでした」(アイテック長谷川様)。
グローバルネットコアにも、AWSの技術、特にサーバレスなどのクラウドネイティブな技術を活用した開発の経験を積みたい思いがありました。そんな環境下でお互いの目指すものが合致し、共同実証プロジェクトが始動しました。
実証テーマは、AWS技術を活用したシステム構築によるレガシーシステムの刷新と、システム自体の機能改善。
検討の結果、サーバレス構成にてレガシーシステムの刷新と機能改善をするのが最適という意見で一致しました。
今回の共同実証は単なる開発業務の委託ではなく、アイテック様のエンジニアも一部の開発に関与する形で進められました。
グローバルネットコアはAWSの活用に関する知見が豊富なため、アイテック様にとっても新技術を学びながら開発を進める機会となります。
選んだ理由
共同実証による両社の経験値の向上
プロジェクトの初期段階では、アイテック様とグローバルネットコアのエンジニアが詳細な要件定義を行い、最適なシステム設計を定義しました。「クラウドネイティブな技術を活用し、運用負担を減らし、技術者がシステムの改良に集中できる環境を整えたかった」とグローバルネットコアの担当者は言います。
アイテック様にとっても、新技術を学びながら開発を進める貴重な機会でした。「レガシーシステムからの脱却は必要でしたが、サーバレス技術は未知の領域。今回のプロジェクトで、その基礎から実践まで学べたのは大きな収穫でした」とアイテック様のエンジニアは語ります。
開発はスピーディに進められ、わずか2カ月半ほどでシステムがリリースされました。開発をリードしたグローバルネットコアも知見のない技術を採用した部分があり、学習しながらの開発作業で負担が大きかったものの、社内の開発メンバー同士の連携と尽力により着実にプロジェクトを完遂することができました。
スムーズな開発の要因として、AWSのコンテナ技術を活用し、両社の開発環境を意識せずにシステム開発に集中できたこともありました。
具体的にはAWS Fargateを採用し、CI/CD(Continuous Integration / Continuous Deployment or Continuous Delivery)パイプラインにてAmazonECS上にコンテナイメージをビルド。テスト後に本番環境にデプロイする仕組みを構築しました。コンテナで開発環境をそろえつつ、CI/CDの採用で開発・テスト・デプロイのプロセスを自動化することでスピーディーな開発を実現したのです。
結果、レガシーシステムは刷新され、運用負担の軽減と拡張性の高さを実現。当初予定していた全体的なシステムのレスポンシブ改善、操作の簡便化といった機能改善も実装しました。「新技術を学びながらの開発は大変でしたが、グローバルネットコアさんと密に連携し、想定よりもずっとスムーズに進行しました」とアイテック様の開発メンバーは語ります。
今回の共同実証は、技術的な知見を深めると同時に、開発スピードの向上と運用負担の軽減を実感する貴重な経験となりました。「この経験を活かし、今後はより高度なクラウド活用にも挑戦していきたい」と関係者は語ります。
導入後の成果・効果
安定運用とエンジニアリングの進化に手応え
グローバルネットコアがアイテック様と共同開発したサーバレス環境のシステムは、リリース後、安定稼働しているとのこと。
今回は利用ユーザーの操作が変わることのないよう、ユーザーインターフェース(UI)は従来のままとし、内部の処理を最適化することで、パフォーマンス向上を図りました。
従来の環境では、システム全体の挙動の遅さやOSの老朽化によるメンテナンスの負担が課題でしたが、AWSサーバレス技術を活用することでその懸念が解消されています。「サーバレスに移行後、処理速度が向上し、システムの遅延もほぼ感じられなくなり業務効率が大きく改善されました」とアイテック様の担当者は評価します。
また、AWSのスケーラビリティを活かし、データ量の増加にも柔軟に対応できる基盤が整いました。「ストレージ容量を気にせず運用できるのは非常に助かります」と現場のエンジニアも喜びを語ります。
グローバルネットコアにとっても、今回のプロジェクトは技術的な成長につながりました。
コンテナを活用しCI/CDを採用したことで、開発環境に左右されず開発プロセスの自動化が可能となり、開発スピードが向上。
さらに「サーバレスといったクラウドネイティブな技術をより深く学び、実際に開発できた経験は非常に貴重でした」とグローバルネットコアの担当者は振り返ります。
また、アイテック様にとっても、これまでにない開発手法を学ぶ貴重な機会となりました。「グローバルネットコアさんの支援に助けられました」と、アイテック様の開発メンバーも嬉しい感想を語ってくれました。
今回の事例は、グローバルネットコアのサーバレス開発の強みを示す好例となりました。プロジェクトの成功は、両社の開発陣にとって大変貴重な体験でした。
アイテック様はもちろん、グローバルネットコアもこの共同実証プロジェクトを通じて得た知見を、今後のAWSソリューションの提案や既存のお客様のシステム改善に活かす方針です。新たな技術を積極的に取り入れることで、より柔軟で持続可能なシステム構築をグローバルネットコアは目指していきます。
ご担当者様のコメント
今後は開発の部門でもお互いに高めあっていきたい
共同実証ということ自体、当社では希なことであり、当初は手探りの部分も多く、プロジェクト進行でご迷惑をかける部分も多かったかと思います。異なる知見を持つアイテックとグローバルネットコアが密に連携し、課題に真摯に向き合いながら最適なシステムを開発できたことは非常に有意義な経験となりました。これまでグローバルネットコアとは、インフラやネットワーク・サーバーでのお付き合いが多かったのですが、これからは開発の部門でもお互いに高めあえればと思っております。
ご担当者様 長谷川 哲也 様、ほか開発メンバー 様