サーバーの運用・管理とは?業務内容・求められるもの・具体的な流れを解説

2023.02.09(木)

  • ITインフラ
サーバーの運用・管理とは?業務内容・求められるもの・具体的な流れを解説

企業において、今や業務に欠かせないシステムやアプリケーション。
これらを問題なく稼働させるには、システムやアプリケーションが動くための基盤となるサーバーが欠かせません。
サーバーはシステムやアプリケーションが期待通りに動くように環境構築を行うだけでなく、日々の運用にも対応する必要があります。
サーバーの運用を適切に行うことで、社内のシステムやアプリケーションが安定して稼働するようになり、業務を進めやすくなります。

では、サーバー運用とは、どんなことを行うのでしょうか?
そこで本記事では、サーバーの運用・管理の基本情報をはじめ、業務内容や求められることなどを詳しく解説します。

サーバー運用・管理の基本知識

サーバー運用とは、サーバーが正常に動いている状態を維持するために、管理・監視・保守する業務のことです。
サーバーのハードウェアやソフトウェアはもちろん、社内のITシステム全体の構成や繋がりを把握し、故障やトラブルが起きていないか監視を行ったり、障害発生時には復旧作業を行います。
また、定期的なバックアップの取得や、セキュリティ対策などもサーバー運用に含まれます。

最初に、サーバー運用を行うにあたって、知っておきたい基本的な知識を2つ紹介します。

サーバーの種類

まずは、サーバーの種類を把握しましょう。代表的なサーバーを以下にまとめます。

サーバー

特徴

Webサーバー

利用者からのリクエストに応じて、Webサイトを表示するサーバー

メールサーバー

メールの送受信を行うためのサーバー

DNSサーバー

IPアドレスとドメインを紐づけるためのサーバー

データベースサーバー

データベースが稼働するサーバー。大量のデータが保管されており、利用者のリクエストに応じてデータの作成・読込・更新・削除を行う

ファイルサーバー

ネットワークを介して、ファイルの保管・共有を行うサーバー

アプリケーションサーバー

アプリケーションのプログラムを実行するサーバー

上記以外にもサーバーの種類はあり、企業によってサーバー構成は異なります。サーバー運用担当者は、それぞれの役割や特徴を把握して運用していく必要があります。

保守との違い

サーバー運用と似た言葉として「保守」があります。
保守とは、一般的にサーバーのメンテナンスやトラブル発生時のサポートを行うことを指します。具体的には、古くなったハードウェアの交換、データの整理、ソフトウェアのアップデートなどです。

対してサーバー運用には、保守に加えて、システムの管理、日常的な監視・動作確認、定期的なバックアップなど、よりより広い業務が含まれます。障害が起こってからの対応だけでなく、障害を未然に防ぐ対策も重視していることが大きな違いです。

サーバー運用・管理で行う業務

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サーバー運用・管理で行う業務を6つ紹介しましょう。

  • ハードウェア管理
  • ソフトウェア管理
  • ネットワーク管理
  • セキュリティ管理
  • ユーザー管理
  • データ管理

順番に見ていきましょう。

ハードウェア管理

ハードウェア管理とは、物理的なIT機器の管理や監視を行うことです。
CPUやメモリ、ディスクなどのリソース使用状況を監視することもハードウェア管理に含まれます。

初期導入時には、サーバーの設置、電源や通信ケーブルの配線、初期設定なども行います。
また、故障の検知や経年劣化がある場合には、機器の修理や交換を行うこともあります。

ソフトウェア管理

ソフトウェア管理とは、サーバー上で稼働するOSやアプリケーションの管理や監視を行うことです。
アプリケーションが正しく稼働し、システム利用者が適切にサービスを利用できているかを監視することもソフトウェア管理に含まれます。
ソフトウェアに不具合が発生したり、脆弱性が発見されたりした際には、迅速にアップデートを行い問題を解決することが求められます。

ネットワーク管理

ネットワーク管理とは、ネットワーク構成や通信状況の管理・監視を行うことです。
通信遅延や接続障害が発生すると、システムの利用に深刻な支障をきたし、業務に多大な影響を与えます。
リアルタイムで通信状況を確認するとともに、障害発生の予兆を察知し、問題を未然に防ぐ対策も必要となります。

セキュリティ管理

セキュリティ管理とは、サーバーやシステムが安全に利用できるよう、管理や監視を行うことです。
セキュリティを維持するためには、サーバーの設定やソフトウェアの導入による対策のほか、
専用のネットワーク機器による対策、日々の運用手法による対策などがあります。
適切なセキュリティ対策を怠ると、不正アクセスやウイルスの侵入を許し、企業の大事な情報を漏洩させるリスクが高まります。

ユーザー管理

ユーザー管理とは、システムを利用するユーザーの管理と、その利用状況を監視することです。
システムに対するアクセス権限が適切でなかったり、退職した従業員のユーザー権限が残っていたりすると、
セキュリティ事故を発生させる可能性が高まります。
また、重要なシステムについては、ユーザーの操作ログの取得や怪しい挙動の監視などを行うこともあります。

データ管理

データ管理とは、サーバー上に保管された様々なデータの管理・監視を行うことです。
重要なファイルやデータベースは、安全のために定期的なバックアップの取得が必須です。
さらに、秘匿性の高い情報については暗号化を行うなど、情報漏洩に対する対策が必要になることもあります。

サーバー運用・管理に求められる能力・スキル

サーバー運用・管理に求められる能力やスキルを3つ解説します。

  • ITの知識
  • コミュニケーション能力
  • 障害対応力

それぞれチェックしてみましょう。

ITの知識

サーバー運用・管理に欠かせないのが、ITに関する知識です。
IT知識とは、サーバーはもちろん、OSやシステム、ネットワーク、セキュリティなどを指します。

専門知識があれば、サーバーの効果的な活用方法の提案や障害への迅速な対応が行えるようになります。
企業によってサーバーの設計・構成は異なるので、自社のサーバー運用に求められる知識を取得しなければなりません。

コミュニケーション能力

サーバー運用・管理には、コミュニケーション能力も必要です。運用中にトラブルが発生した場合、状況を素早く把握し、社内の関係者または顧客に状況を伝える役割があるためです。うまくコミュニケーションが取れないと、トラブルへの対処が遅れてしまいます。

また、自社のみでトラブルを解決できない場合、メーカーなどの関係先への問い合わせが必要です。必要な相手へ必要な情報を漏れなく簡潔に伝えるために、サーバー運用ではコミュニケーション能力が求められます。

障害対応力

サーバー運用で問題を迅速に対応するには、障害対応力が必要となります。
サーバーのトラブルは、少なからず業務に影響が出るため、素早く障害を解決しなければなりません。
運用担当者には、不具合の原因を把握し、適切な対策を行う対応力が求められます。

また、そもそもサーバー障害を起こさないよう、サーバー運用における課題を発見し、トラブルを未然に防ぐ対応も必要です。インフラ全体を把握して、問題意識を持ちながらサーバー運用を行いましょう。

サーバー運用・管理の流れ

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サーバー運用・管理の流れを以下に示します。

  • ITシステム全体を把握する
  • バックアップ状況を確認する
  • マニュアルを整備する
  • ハードウェアやOS・ソフトウェアの管理を行う

それぞれ把握して、業務の参考にしてみましょう。

ITシステム全体を把握する

まずシステムの全体像を把握することから始めます。
基本的にサーバー単体で稼働していることは少なく、ネットワークやストレージなどの機器に加えて、OSやアプリケーションなど、さまざまなものが組み合わさっています。

ITシステム全体を知ることで、サーバー構成の把握や各種管理が行き届き、安定稼働を維持することができるようになります。
また、トラブル発生時に迅速な対応ができ、業務への影響を最小限にとどめることも可能になります。

バックアップ状況を確認する

定期的にデータやシステムのバックアップ取得状況を調査して、正常に動作しているのか確認しましょう。
日頃からバックアップを取得していれば、万が一、サーバーが停止してもデータの復旧が行えますが、いざというときにそのバックアップが正常に取得できていなかったとしたら、取り返しがつきません。

特に、サーバー運用や保守などの都合でサーバー構成の変更やシステムの更新を行うと、バックアップがうまく働かなくなる可能性があります。システムに手を加えるときは必ず、バックアップ設定の確認を行うことをおすすめします。

マニュアルを整備する

事前にサーバー運用のマニュアルを整備しておくのも効果的です。
日々の業務はもちろん、トラブル発生時にも、落ち着いてミスなく作業を行うことができるようになります。
また、将来的に担当者が変更になった際にも、マニュアルがあれば容易に引き継ぎを行えます。

マニュアルを整備する際は、システム構成図やネットワーク構成図などのドキュメント整備も合わせて行うのがポイントです。インフラ環境の全体像を把握しやすくなり、不具合箇所の特定や確認を迅速に行うことができるようになります。

ハードウェアやOS・ソフトウェアの管理を行う

マニュアルを整備したら、サーバーのハードウェアやソフトウェアなどのバージョンを管理しましょう。
最新のバージョンになっていないと、脆弱性が見つかり外部からの攻撃を受けやすくなります。

運用担当者は、過去の脆弱性が解消されている最新バージョンにバージョンアップし、セキュリティを高める対策が必要です。

サーバーの運用・管理を効率化するポイント

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業務範囲が多岐にわたるサーバーの運用・管理を効率化するポイントも押さえておきましょう。

  • ツールを導入する
  • クラウドサーバーを活用する
  • アウトソーシングを利用する

順番に見ていきましょう。

ツールを導入する

サーバー運用や監視に関わるツールの導入はサーバーの運用業務を自動化することに役立ちます。
サーバーの状況を目視や手作業で確認する手間がかからなくなり、従来よりも担当者の運用負担を軽減可能です。

また、ツールを活用すると運用状況を可視化できます。運用の見落としがなくなり、異常や障害に気付きやすくなります。
ツールは数多くの種類があるので、自社の課題を明確にしてセレクトするのがポイントです。自社の課題を解決できる最適なツールを選んで導入しましょう。

クラウドサーバーを活用する

クラウドサーバーとは、インターネット上のクラウド環境にある仮想サーバーのことで、世界的に有名なものとしては、AWS(Amazon Web Services)やMicrosoft Azureといったサービスがあります。

クラウドサーバーを利用すれば、自社でハードウェアを用意する必要がなくなり、物理的な機器の管理はクラウド事業者に任せられるので、サーバー運用や保守の工数を大幅に削減することができます。

また、クラウドであれば、サーバーのリソースの拡張・縮小が容易にできます。オンプレミスよりもフレキシブルに活用できるので業務状況の変化やユーザーからの要望に応えやすく、運用が行いやすくなります。

このように、クラウドサーバーを活用することで、運用の負荷を減らすことも可能ですが、クラウドサーバーの運用にもポイントがあります。導入・運用を専門業者に依頼することも選択肢に入れておくとよいでしょう。

アウトソーシングを利用する

サーバー運用・管理を効率化するには、アウトソーシング(外部委託)を活用するのも効果的です。
自社でサーバー運用を内製化する場合、ITに詳しい人材がいなければ難しいですし、人材を育成するにしても教育コストがかかります。

企業の情報システム担当者はサーバー運用以外の業務も含めて、幅広く社内のITを担うことも多く、日々の膨大な業務に追われサーバー運用に手が回らないケースも想定されます。

サーバー運用をアウトソーシングすれば、サーバーの運用・管理をすべて任せられます。専門家による運用を受けられるので、行き届いた管理はもちろん、不具合が発生しても迅速な対処が可能です。

自社のサーバーがクラウドでもオンプレでも、運用をアウトソーシングすることは可能です。クラウドサーバーの場合は、利用しているクラウドサービスが認定したパートナー企業に依頼するのがおすすめです。

サーバーの運用・管理はアウトソーシングがおすすめ

専門知識や経験が必要になるサーバーの運用・管理について、社内で対応するのが難しいなら、アウトソーシングするのがおすすめです。
外部に依頼するメリットを以下にまとめます。

  • メンテナンス・トラブル対応の手間を任せられる
  • サーバーダウンのリスクを軽減することができる
  • 迅速にトラブルを復旧させることができる
  • 社内の人的リソースを有効活用できる

順番に見ていきましょう。

メンテナンス・トラブル対応の手間を任せられる

サーバーの運用・管理を外部に委託すると、日々のメンテナンスからトラブル対応まで幅広く任せられます。
万が一、サーバートラブルが発生しても、昼夜問わずプロによる復旧・原因調査・対策を行ってもらえます。
いつ起こるか分からないサーバーの障害に対処するサーバー運用担当者の労力や精神的負担を軽減可能です。

サーバーダウンのリスクを軽減することができる

自社で運用するよりもサーバーダウンのリスク軽減につながります。専門家がサーバーを運用するので、豊富な知識や経験、独自のノウハウからサーバーの些細な変化に気付けるためです。
行き届いた運用で異常や障害を未然に防ぐことができるので、サーバーの安定稼働が実現します。

迅速にトラブルを復旧させることができる

サーバー運用を委託すると、業務時間外のトラブルでも素早く検知し、対処できます。
委託業者の中には、24時間体制でサポートしている会社があるためです。
サーバーの不具合に迅速に対処できるため、業務影響や損害の発生を最小限に抑えることができます。

社内の人的リソースを有効活用できる

サーバー運用・管理を委託することで、社内の人的リソースをよりよく活用することが可能です。
社内の情報システム担当がサーバー運用に関わる工数の削減になり、本業に集中したり他の業務を担当することができるようになります。

アウトソーシングにより削減できた工数を、企業のコア業務に工数を振り向けると、
組織としての生産性の向上を実現しやすくなるほか、社内IT環境の改善や新たなシステムの導入、DX推進などに取り組むことができ、
さらなる企業活動の活性化が期待
できます。

サーバー運用・管理の委託業者を選ぶポイント

サーバー運用・管理の委託業者を選ぶポイントは以下の通りです。

  • 料金体系
  • 対応時間
  • 対応範囲

それぞれ参考にしてみてください。

料金体系

サーバー運用・管理の委託にかかる料金は、委託する業務の範囲や対応時間などによって異なります。自社のニーズと予算に合致する委託業者を選びましょう。

委託業者によっては、緊急のトラブル対応や出張対応、ヘルプデスクの有無などで追加料金が発生する場合があります。
通常サービスでカバーされる範囲を事前に確認し、追加料金が発生する可能性や金額についても把握をしておきましょう。

対応時間

サーバー運用・管理を委託する際は、対応時間の確認も必要です。
会社によって「24時間対応」「9〜17時」など、対応時間に差があります。自社が希望する対応時間を明確にしてから依頼しましょう。

対応範囲

自社が任せたい業務を明確にして、委託会社に対応してもらえるか確認するのが効果的です。
委託会社によっては、定められた範囲外については対応が難しいと言われる場合があります。
委託会社と対応範囲の認識のすり合わせを行い、自社と委託会社の役割分担を明確にしたり、委託によって期待する効果が得られるかどうかをしっかり確認しましょう。

サーバーの運用・管理~まとめ~

サーバー運用・管理とは、サーバーを正常に稼働させるために管理・監視・保守することです。
適切な運用を行うことで、システムが安定稼働し業務を行いやすくなります。

社内のITシステムに関わっていないユーザーは、普段、業務を行う中で、サーバーの存在を意識することはあまりないかもしれませんが、
いつもの業務をいつものように円滑に行うために、システムやアプリケーションの基盤であるサーバーの安定稼働は欠かせないのです。

サーバー運用・管理の業務は、ハードウェアやネットワーク、セキュリティなど多岐にわたり、多様な知識とサーバー運用の経験が必要なほか、
安定稼働を守るための細やかな管理、休日・夜間問わずいつ起こるか分からないサーバートラブルに対応する肉体的負担、「サーバーが落ちたら大変だ」という精神的プレッシャーにも対処することになります。

サーバー運用は社内の業務を支える重要な業務であり、専門的で負荷が高い業務と言えるでしょう。だからこそ、専門家にアウトソーシングすることで、よりよいIT環境と生産性の高い社内リソースの活用が実現できます。
サーバー運用をアウトソーシングするなら、信頼できるパートナーを見つけて相談してみることをおすすめします。

 


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